45 STORIES · TAGGED
THE JACKSON 5 · 1970
DETROIT, USA
一見ただの「子ども向けの楽しい歌」に見えて、その実体はモータウンが緻密に設計した恋愛指南ソング。学校で習うアルファベットや数字に「君に恋を教えてあげる」という年上めいた口説きを重ね、11歳のマイケル・ジャクソンが歌うことで初めて成立した奇跡のバランスの曲。…
DON MCLEAN · 1971
CLEAR LAKE, IOWA, USA
8分36秒という当時のラジオ常識を破る長さで、ある時代の終焉を語り続けるフォークロック叙事詩。1959年2月3日のバディ・ホリーらの飛行機事故を起点に、1960年代という青春の幻想がいかに崩れていったかを、寓話的な暗号で描き切った。発表から半世紀以上経っても、なぜこの曲は世代を超…
PINK FLOYD · 1979
1979年、ピンク・フロイドが世に放った『The Wall』のセンターピース。ディスコのビートと子どもたちの不気味な合唱が、戦後イギリスの教育システムへの集団的怒りを召喚した。これは反抗の歌であると同時に、内面に積み上がっていく心理的な「壁」のメタファーであり、ロックが社会批評を…
MICHAEL JACKSON · 1972
13歳のマイケル・ジャクソンが歌う甘く切ないラブソング――その「ベン」とは恋人でも友達でもなく、ホラー映画に登場する殺人ネズミのリーダーの名前だった。…
THE JACKSONS · 1978
踊りたくて仕方ない男が「俺が悪いんじゃない、ぜんぶブギーのせいだ」と言い訳する、底抜けに陽気なディスコ・アンセム。そして実はこの曲、マイケル・ジャクソンとは別人の「マイケル・ジャクソン」が共作したという珍事つきの一曲。…
QUEEN · 1975
「これはFreddieの"カミングアウトの予行演習"だった」…
BRUCE SPRINGSTEEN · 1975
ASBURY PARK, NEW JERSEY, USA
1975年、ニュージャージーの労働者階級の若者が、何ヶ月もスタジオに籠もり、フィル・スペクター流の音の壁を借りて「逃げる」という普遍的な衝動を4分半に閉じ込めた。Born to Runは単なるロックンロール賛歌ではなく、アメリカの夢が壊れかけた時代に、それでもなお走り出すことの意…
ERIC CLAPTON · 1977
1977年、エリック・クラプトンがアルバム『Slowhand』に収録したカヴァー曲。原曲はJ.J.ケイル。一見ドラッグを賛美しているように聴こえるが、実はその逆を仕掛けた反ドラッグ・ソングとされる。シンプルなリフの裏で「依存」というテーマが反復され、70年代後半のロックの倦怠と覚…
PINK FLOYD · 1979
1979年、Pink Floydがコンセプトアルバム『The Wall』で世に送り出した「Comfortably Numb」は、舞台袖で疲弊したロックスターに医師が注射を打つという一場面を、二人の歌い手と二本のギターソロで描いた静謐な悲鳴である。痛みを感じないこと——その「心地よ…
THE JACKSON 5 · 1974
一見ただのダンス賛歌だが、その正体は「人間離れした完璧さ」への憧れと、機械のように正確に踊る一人の少女(あるいはマイケル自身)を描いたファンク・マニフェスト。マイケル・ジャクソンが「ロボット」ダンスを世に知らしめた、ソウルからディスコへの転換点でもある。…
EAGLES · 1973
1973年、まだ無名に近かったイーグルスが放った「Desperado」は、シングルカットすらされなかった地味な一曲だった。それが半世紀を経て、孤独と自由のはざまで揺れる現代人の心の鏡として読み直されている。西部の無法者に仮託された「降りられない男」の物語は、終身雇用が崩れ「自分ら…
QUEEN · 1978
1978年、フレディ・マーキュリーが疾走する歓楽の只中で書き上げたこの曲は、当時こそ「軽すぎる」と批判されながら、彼の死後、世界で最も「幸福な歌」として再評価されるに至った。日本のリスナーにとっては、Queen初来日(1975年)の熱狂と、80年代を駆け抜けた矢沢永吉やサザンオー…
MICHAEL JACKSON · 1979
1979年8月。20歳になったばかりのマイケル・ジャクソンが、家族グループの「末っ子」という鎖を断ち切り、ソロアーティストとして世界に放った最初の決定打。クインシー・ジョーンズとの邂逅、ディスコの終焉、そしてポップ史の地殻変動。たった6分弱のトラックに、20世紀後半の音楽産業を組…
SEX PISTOLS · 1977
LONDON, UK
1977年、エリザベス女王即位25周年(シルバー・ジュビリー)に沸くイギリスで、Sex Pistolsは国歌と同じタイトルの曲を放った。失業率と階級格差に苛立つ若者の代弁として、それは「国家への呪詛」とも「最も誠実な愛国歌」とも読まれてきた。テムズ川を遊覧船で航行しながら演奏した…
DAVID BOWIE · 1977
BERLIN, GERMANY
冷戦下のベルリンで録音された「Heroes」は、壁の影で抱き合う恋人たちをわずか一日だけの「英雄」として描く、デヴィッド・ボウイ最大の逆説的アンセムである。希望の歌として誤読され続けながら、その実、引用符付きの「"Heroes"」というタイトルが告げるのは、永続しない瞬間の美しさ…
DEEP PURPLE · 1972
1971年、英国からスイスへ向かう高速道路を走るツアーバスの中で、ファンに「どうやって曲を作るのか」と問われたDeep Purpleは、その場でギターをかき鳴らし即興のリフを返した。それが世界最速のロックの幕開けだった。『Machine Head』の冒頭を飾るこの曲は、ハードロッ…
AC/DC · 1979
一行で言うと: 悪魔崇拝の歌ではない。長距離ツアーで疲弊しきったロックバンドが「俺たちの生活、まるで地獄行きハイウェイだな」と自嘲した、現場感丸出しの労働歌である。…
EAGLES · 1976
CALIFORNIA, USA
「アメリカン・ドリームの行き過ぎ、過剰、そこから抜け出せなくなる感覚を歌った」…
THE JACKSON 5 · 1970
11歳のマイケル・ジャクソンが歌った、恋人への甘いラブソング…と思いきや、その本質は「いつでも駆けつける」という揺るぎない献身の誓い。だからこそ恋人にも、家族にも、悲しむ誰かにも刺さる、世代を超えた「そばにいるよ」の決定版になった。…
JOHN LENNON · 1971
"Imagine there's no heaven, no hell below us, no countries, no religion, no possessions."…
LED ZEPPELIN · 1975
1975年、Led Zeppelinが放った「Kashmir」は、実際に訪れたことのない土地への憧憬を、終わりなき行進のような8分間に封じ込めた異形の名曲である。モロッコの砂漠で着想され、カシミールという名を借りた幻想の旅は、ロックがオリエンタリズムと格闘した時代の象徴であり、同…
QUEEN · 1974
1974年、まだ「奇妙な四人組」と見なされていたクイーンを一夜にして英国ポップ界の頂点へ押し上げた一曲。フレディ・マーキュリーが「高級娼婦」を主人公にシャンパンとモエ・エ・シャンドンとマリー・アントワネットを並べたこの楽曲は、後のグラムロック、ヴィジュアル系、そして日本のシティポ…
DEREK AND THE DOMINOS · 1970
1970年、エリック・クラプトンが「親友の妻」への報われない恋情を、覆面バンド「デレク・アンド・ザ・ドミノス」名義で叩きつけた7分間の悲鳴。前半の七連打リフと後半のピアノ・コーダという二部構成は、ロック史上もっとも非対称で、もっとも傷を負った愛の構造体である。ジョージ・ハリスン、…
BILL WITHERS · 1972
SLAB FORK, USA
サマリ: ビル・ウィザーズが1972年に発表した「Lean on Me」は、ピアノの単音をなぞるだけのシンプルな旋律に、ウェストヴァージニアの炭鉱町で育った青年の記憶を封じ込めた一曲である。ソウルでもゴスペルでもブルースでもなく、それらが分かれる前の「人が人に肩を貸す」という最も…
DAVID BOWIE · 1971
1971年、デヴィッド・ボウイが世に放った「Life on Mars?」は、退屈な日常に絶望した少女がスクリーンの向こうに別世界を求める、一見シンプルな物語だ。だがその裏には、フランク・シナトラの「My Way」原曲の権利を奪われた屈辱、ハリウッドの幻想産業への皮肉、そして地球そ…
THE POLICE · 1979
1979年、ザ・ポリスのスティングが書き上げた孤独な男のSOS。だがその瓶は思いがけない応答を呼び込み、孤独の本質を反転させる。レゲエとパンクと白人のニューウェイヴが交差した瞬間に鳴ったこの曲は、コミュニケーション過剰な現代においてこそ、再び新しい意味を帯び始めている。…
THE JACKSON 5 · 1971
これは別れを切り出せない心の堂々巡りを描いた曲。終わらせるべきだと頭ではわかっているのに、口がさよならを言えない——その矛盾を、12歳のマイケル・ジャクソンが大人びた切なさで歌い上げた。…
BOB MARLEY & THE WAILERS · 1974
TRENCHTOWN, KINGSTON, JAMAICA
1974年、キングストンのスラム街トレンチタウンの記憶を、慰めと不屈の祈りへと昇華させた一曲。「泣かないで」という呼びかけの裏には、貧困、コミュニティの絆、そして音楽が政治になる瞬間がある。日本のリスナーにとっては、矢沢永吉の「黒くぬれ!」的な這い上がりの物語や、桑田佳祐が描く下…
MICHAEL JACKSON · 1979
LOS ANGELES, USA
子役スターからソロのアーティストへ。重荷を脱ぎ捨てて夜のダンスフロアに飛び込む解放宣言の一曲で、「壁を越えて自由になれ」というメッセージそのものがマイケルの独立宣言だった。…
MICHAEL JACKSON · 1979
1979年、まだ21歳のマイケル・ジャクソンが『Off the Wall』に収めた一曲。ロッド・テンパートンが書き、クインシー・ジョーンズがプロデュースしたこのミディアム・グルーヴは、ディスコの終焉期にあって「踊る」という行為を、汗ばんだフロアからベッドルームの薄明かりへと密やか…
THE POLICE · 1978
PARIS, FRANCE
1978年、パリの薄暗いホテルの一室で生まれた一曲が、無名のトリオを世界的スターへと押し上げた。「Roxanne」は娼婦に恋した男の片想いをタンゴのリズムに乗せて歌った、奇妙で美しいパンク以降のラブソングである。レゲエとパンクと文学が交差するその3分間に、70年代末ロンドンの不安…
THE JACKSONS · 1979
これは「踊ろう」と誘う単純なディスコ曲ではない。心を閉ざした相手に、言葉ではなく身体ごと飛び込んでこいと迫る、口説きと解放のアンセムだ。しかもこの大ヒットは、まだ十代だった末弟ランディが寝室で書いた習作から生まれたと言われている。…
DEEP PURPLE · 1972
MONTREUX, SWITZERLAND
一行で言うと: 1971年12月、スイスのモントルーでフランク・ザッパのコンサート中に火事が起き、レマン湖に煙が立ち込めた——その実話をそのまま歌にしたのが「Smoke on the Water」である。…
QUEEN · 1976
: 1976年、フレディ・マーキュリーがゴスペルの神々しさとロックの轟音を融合させて生み出した「Somebody to Love」は、孤独な魂が天に向かって「誰か愛をくれ」と叫ぶ祈りの歌である。アレサ・フランクリンへの偏愛から生まれたこの曲は、後楽園球場でクイーンを神格化した19…
LED ZEPPELIN · 1971
「ある夜、暖炉のそばに座って、ペンを取った。何も考えていなかった。手が勝手に動いて、最初の数行が出てきた。"There's a lady who's sure all that glitters is gold..."(光るものすべてが金だと信じている女性がいる)」…
DAVID BOWIE · 1972
1972年7月、BBCの音楽番組「Top of the Pops」に、肩を組み合うようにして歌う赤毛の異星人が登場した瞬間、英国の十代の何百万人もの人生が静かにねじれた。「Starman」はデヴィッド・ボウイがジギー・スターダストという架空の救世主を借りて放った、ポップ史上もっと…
STEVIE WONDER · 1972
SAGINAW, USA
サマリ: 1972年、22歳のスティーヴィー・ワンダーがモータウンとの再契約を勝ち取り、芸術的自律を手にして放った最初の弾丸が「Superstition」だった。クラヴィネットの粘り強いリフが告げるのは、迷信が幸福を遠ざけるという冷徹な啓示であり、ファンクの誕生と黒人音楽の自己決…
EAGLES · 1972
WINSLOW, ARIZONA, USA
1972年5月、無名に近かったロサンゼルスのバンドEaglesがデビューシングルとして放った「Take It Easy」は、ベトナム戦争の泥沼とヒッピー文化の終焉のあいだで疲弊したアメリカに、軽やかな西部の風を吹き込んだ。Jackson Browneが書きあぐねた未完の歌詞をGl…
BRUCE SPRINGSTEEN · 1975
ニュージャージーの小さな町の網戸が、ハーモニカの一吹きで揺れる。「Thunder Road」は1975年の名盤『Born to Run』の幕開けを飾る曲であり、ロックンロールが「逃走」というアメリカ的なテーマをどこまで詩に変えられるかを示した分水嶺である。それは恋人への口説き文句…
PINK FLOYD · 1973
目覚まし時計の轟音で幕を開けるこの曲は、ロック史上もっとも有名な「時間についての警句」である。ピンク・フロイドが1973年の『狂気』(The Dark Side of the Moon) に収めた本作は、若き日に「いつかやろう」と先送りしてきた者が、ある日ふと気づくと太陽が背後に…
DON MCLEAN · 1971
1971年、ドン・マクリーンは『American Pie』のB面ともいうべき位置に、フィンセント・ファン・ゴッホへの静かな鎮魂歌を置いた。アコースティックギター一本と弦楽のため息だけで描かれたこの曲は、ロックの饒舌な時代にあって「沈黙の肖像画」として孤立し、半世紀を経たいまも、誤…
QUEEN · 1977
1977年、パンクが「ロックスター神話を殺せ」と叫んでいた最中に、クイーンは敢えて荘厳なアンセムを放った。勝利と挫折の両方を抱きしめるこの曲は、サッカースタジアムから卒業式まで、半世紀にわたって「人間の連帯」のサウンドトラックであり続けている。後楽園球場の歓声、武道館の余韻、サザ…
QUEEN · 1977
1977年、Queenが「観客が歌の一部になる曲」を発明した。足踏み2回、手拍子1回——たったこれだけのリズムが、スタジアムを「神殿」に変え、サッカーの応援歌から日本のプロ野球の球場まで、世界中の集団的高揚の語彙になった。後楽園球場の応援団も、武道館のロックファンも、無意識のうち…
PINK FLOYD · 1975
1975年、Pink Floydが世界的成功の真っ只中で発表した『Wish You Were Here』は、不在の友、シド・バレットへの追悼であり、同時に音楽産業の冷たさへの抗議でもあった。タイトル曲は、アコースティック・ギターのざらついた音色と、ラジオから漏れ出すような遠さのな…
ERIC CLAPTON · 1977
パーティーに出かける前の、たった数分の出来事を描いた小さな歌。だが「Wonderful Tonight」は、エリック・クラプトンの私生活の修羅と、70年代後半のロックが向かった成熟という地殻変動を、奇妙なほど静かに記録している。ラブソングの皮をかぶった、ある男の依存と憧憬と諦念の…