BON JOVI · 1986
1986年夏、ニュージャージー出身の4人組が放った、わずか3分43秒のキラーチューン。冒頭のアカペラから雪崩れ込むギターリフ、そして「愛に泥を塗ったのはお前だ」と叫ぶサビ。これはハードロックが大衆の手元に降りてきた瞬間であり、MTV世代の感情の文法を書き換えた一曲だった。失恋を「裏切られた者の咆哮」として再定義した、8…
MICHAEL JACKSON · 1995
一見すると純粋なラブソングだが、その核心は「どんなに離れていても、心はそばにいる」という遠距離の慰めの歌。そしてビルボード史上初めて、初登場で1位を獲得した記念碑的な楽曲でもある。…
THE BEATLES · 1965
一行で言うと: 恋人が去ってしまった理由がわからず、昨日に戻りたいと願う男の、たった2分間の独白。Paul McCartneyが夢の中で完成形のメロディを聴いて目を覚まし、ピアノに駆け寄って書き留めた、ポップス史上もっともカバーされた曲。…
COLDPLAY · 2000
2000年6月、ロンドン郊外の小さなスタジオで、まだ無名だった4人組が録音した一曲が、世紀末の喧騒が静まりかけた英国ロックシーンに、奇妙に柔らかい衝撃を与えた。「Yellow」は、燃え盛る黄色ではなく、夜空に滲む頼りない黄色——星の光のような色を歌った曲だ。ギターのリフは単純で、ボーカルは少し高すぎる音域で震え、それで…
OASIS · 1995
1995年、マンチェスター郊外で生まれた一曲が、世界中のパブの片隅、大学の寮、夜更けの公園で無数のアコースティックギターを鳴らし続けてきた。Oasisの「Wonderwall」は、Britpopの絶頂を象徴する讃歌でありながら、その実態は不確かさと依存と希望のあわいに揺れる、奇妙に内向きなラヴソングだ。なぜこの曲は、四…
ERIC CLAPTON · 1977
パーティーに出かける前の、たった数分の出来事を描いた小さな歌。だが「Wonderful Tonight」は、エリック・クラプトンの私生活の修羅と、70年代後半のロックが向かった成熟という地殻変動を、奇妙なほど静かに記録している。ラブソングの皮をかぶった、ある男の依存と憧憬と諦念の標本である。…
U2 · 1987
1987年、U2は『The Joshua Tree』というアルバムでアメリカの神話と砂漠の風景に踏み込み、その先頭打者として世界に放たれたのが「With or Without You」だった。エッジの無限音階のように伸びていくギター、ボノが囁き、絞り出し、最後には叫ぶ声。表向きはひとつの愛の歌でありながら、そこには宗教…
PINK FLOYD · 1975
1975年、Pink Floydが世界的成功の真っ只中で発表した『Wish You Were Here』は、不在の友、シド・バレットへの追悼であり、同時に音楽産業の冷たさへの抗議でもあった。タイトル曲は、アコースティック・ギターのざらついた音色と、ラジオから漏れ出すような遠さのなかに、「ここにいない誰か」の輪郭を立ち上…
LED ZEPPELIN · 1969
1969年、レッド・ツェッペリンが世に放った「Whole Lotta Love」は、ブルースをハードロックへと変質させた瞬間の刻印である。ウィリー・ディクソンの古いブルースから生まれ、ジミー・ペイジのリフとロバート・プラントの咆哮、そしてエンジニアの偶然のミスから生まれた中間部のサイケデリックな音響実験まで、この曲はロ…
U2 · 1987
1987年、アイルランドの4人組が放った『The Joshua Tree』の幕開けを飾る一曲。冒頭の6/8拍子のオルガンが霧のように立ちのぼり、ディレイの効いたアルペジオが砂漠の地平線を描く。これは単なるロックアンソムではなく、北アイルランド・ベルファストの分断された街路に対する祈りであり、名前を持たない場所への憧憬を…
GUNS N' ROSES · 1987
1987年、ロサンゼルスの裏路地から立ち上がった一曲のロックンロールは、80年代の華美なグラム・メタルに引導を渡し、ロックの「危険」を再起動させた。アクセル・ローズが歌う「ジャングル」とは、彼が初めてLAに降り立ったときの恐怖と興奮、そして都市が人を呑み込んでいく光景そのものだった。本稿は、サンセット・ストリップの汗と…
QUEEN · 1977
1977年、Queenが「観客が歌の一部になる曲」を発明した。足踏み2回、手拍子1回——たったこれだけのリズムが、スタジアムを「神殿」に変え、サッカーの応援歌から日本のプロ野球の球場まで、世界中の集団的高揚の語彙になった。後楽園球場の応援団も、武道館のロックファンも、無意識のうちにブライアン・メイが設計した「身体の共犯…
QUEEN · 1977
1977年、パンクが「ロックスター神話を殺せ」と叫んでいた最中に、クイーンは敢えて荘厳なアンセムを放った。勝利と挫折の両方を抱きしめるこの曲は、サッカースタジアムから卒業式まで、半世紀にわたって「人間の連帯」のサウンドトラックであり続けている。後楽園球場の歓声、武道館の余韻、サザンの大団円——日本人がスポーツや祝祭の現…
BON JOVI · 1987
ニュージャージー出身の若者たちが、80年代アメリカのアリーナを満杯にしながら、なぜ自分たちを19世紀の無法者ガンマンになぞらえたのか。『Wanted Dead or Alive』は、グラム・メタル全盛期のただ中で書かれた「ロック・ミュージシャン版ウェスタン」であり、ツアー生活の孤独と虚無を、フロンティアの荒野に重ねた静…
MICHAEL JACKSON · 1983
史上最も売れたアルバム『Thriller』の幕開けを飾るこの曲は、踊れるファンク・ダンスナンバーに見せかけて、実は陰口・噂・他人の人生を勝手に消費するメディア社会への怒りを叩きつけた歌。あの中毒性のあるアフリカ語コーラスは、もともと別人の曲に由来している。…