23 STORIES · TAGGED
THE BEATLES · 1967
LONDON, UK
1967年、ロンドンのアビイ・ロード・スタジオで録音された「A Day in the Life」は、新聞記事の断片と未完成の朝のスケッチが衝突するように縫い合わされ、40人のオーケストラによる轟音と、宇宙が閉じるような一音のピアノで終わる。これは単なる楽曲ではなく、20世紀後半の…
JIMI HENDRIX · 1968
ボブ・ディランが2分半の聖書的寓話としてざらりと書きつけた小品を、ジミ・ヘンドリックスはわずか半年後、ロンドンの雨の中で別世界の音響彫刻へと作り変えた。原曲が「予感」だとすれば、ヘンドリックス版は「予感が現実になった瞬間」の音である。1960年代末の終末感、ヴェトナム、公民権、そ…
BOB DYLAN · 1963
1963年、22歳の青年が書いた問いの連鎖が、公民権運動のテーマソングとなり、世代のアンセムとなった。答えは風の中にある——その曖昧で詩的な結語は、しかし聴き手それぞれに「自分で考えろ」と静かに突きつける装置でもあった。フォークの伝統に深く根ざしながら、ボブ・ディランはこの楽曲で…
THE BEATLES · 1969
1969年9月、ビートルズが最後に揃って吹き込んだスタジオ盤『Abbey Road』の幕開けを飾ったのが、この奇妙なファンクのような、呪文のような一曲だった。元はティモシー・リアリーの選挙キャンペーンソングとして書き始められた断片が、ジョン・レノンの手で意味を解体され、四人が肩を…
STAN GETZ & JOÃO GILBERTO · 1964
IPANEMA, RIO DE JANEIRO, BRAZIL
1964年、ニューヨークのスタジオで録音されたボサノヴァの一曲が、世界で最もカヴァーされた楽曲のひとつとなり、日本人の音楽観をも静かに塗り替えた。「イパネマの娘」は、リオの海辺のスケッチであると同時に、戦後日本が「都市の余白」を発見していくサウンドトラックでもある。なぜ昭和の喫茶…
THE ROLLING STONES · 1969
1960年代の終わり、世界が祝祭から幻滅へと滑り落ちていくその瞬間を、ローリング・ストーンズは一曲のロックンロールに封じ込めた。ベトナム、暗殺、暴動、そしてオルタモントの惨劇——「Gimme Shelter」はその全てを背負った嵐の予言である。半世紀以上を経てなお、この曲が鳴り出…
JIMI HENDRIX · 1966
1966年12月16日、ロンドンの片隅で世に出た一枚のシングルが、ロック史の地殻変動の起点となった。「Hey Joe」はジミ・ヘンドリックスのデビュー作であり、フォーク・トラディションに根ざした殺しのバラードを、エレクトリックな霊性へと書き換えた怪物的なカヴァーである。彼のギター…
THE BEATLES · 1968
"Hey Jude, don't make it bad. Take a sad song and make it better."…
THE JACKSON 5 · 1969
DETROIT, USA
これは「フラれた側」の歌だ。彼女を手放したことをようやく後悔し、もう一度やり直してくれと必死に頼み込む——その切実さを、まだ11歳の少年が信じられない説得力で歌い上げた、ポップス史上もっとも完璧なデビュー曲のひとつ。…
BOB DYLAN · 1965
一行で言うと: かつて上流階級にいた女が転落して路上に放り出される——その姿を「どんな気分だ?」と6分間問い続ける、ロック史上もっとも有名な「ざまあみろソング」。…
THE BEATLES · 1967
1967年、『Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band』の中盤に置かれたこの曲は、頭文字がLSDになることから長年「ドラッグ・ソング」として疑われ続けてきた。だが実態は、ジョン・レノンの息子ジュリアンが幼稚園で描いた一枚の絵から始まる、極めて個人…
THE ROLLING STONES · 1966
1966年、ロンドンのスタジオで生まれた「Paint It Black」は、ロックンロールに東洋の楽器シタールを持ち込み、悲嘆と虚無の感覚をポップミュージックの中心に据えた革命的な一曲だ。表面的にはドアーズ的なサイケデリアの先駆けに見えながら、その核には恋人を失った青年の、世界そ…
JIMI HENDRIX · 1967
1967年、ロンドンの霧深い冬に生まれた一曲が、ロックギターの言語そのものを書き換えた。「Purple Haze」は、わずか2分50秒のなかに、ブルースの土壌から立ち上がるサイケデリアの蒸気、宇宙への憧憬、そして黒人ギタリストが白人ロックの中心で異邦人として鳴らす不協和音を封じ込…
THE ROLLING STONES · 1965
1965年、フロリダのモーテルで眠っていたキース・リチャーズが、夢の中で聴いたファズ・ギターのリフを枕元のテープレコーダーに吹き込み、再び眠りに落ちた。翌朝再生された数十秒の断片は、20世紀後半のポピュラー音楽の地形を書き換える発火点となる。テレビ、広告、消費社会への倦怠を5分弱…
DAVID BOWIE · 1969
1969年7月、人類が月面に到達するわずか数日前にリリースされた一曲が、宇宙開発という時代の最大の祝祭に冷ややかな影を落とした。デヴィッド・ボウイは、英雄的な宇宙飛行士ではなく、軌道上で連絡を絶ち、地球から永遠に切り離されていく男「トム少佐」を描いた。これは宇宙の歌であると同時に…
THE BEATLES · 1967
LIVERPOOL, UK
1967年2月、ビートルズが世に放った両A面シングルの片割れ。リバプール郊外にあった救世軍の児童養護施設の名前を冠したこの曲は、ジョン・レノンが子ども時代の庭の記憶を、サイケデリック・ロックという当時の最先端の音響実験で結晶化した一枚である。録音テープを逆回転させ、半音違うキーで…
NEIL DIAMOND · 1969
1969年、ニール・ダイアモンドがメンフィスのアメリカン・サウンド・スタジオで録音した「Sweet Caroline」は、ホーン・セクションが炸裂する瞬間の高揚感によって、半世紀以上にわたりスタジアム、結婚式、そしてパブの夜を支配してきた。当初はビルボード4位の中ヒットに過ぎなか…
THE ROLLING STONES · 1968
1968年、世界が燃え上がりつつあった夏。ザ・ローリング・ストーンズはサンバのリズムに乗せて、悪魔に一人称で語らせるという前代未聞の楽曲を放った。「Sympathy for the Devil」はゴシップソングでもオカルト遊びでもなく、人類史の暴力と欺瞞を直視するための鏡として、…
SIMON & GARFUNKEL · 1969
NEW YORK CITY, USA
「The Boxer」は、ニューヨークの片隅でうずくまる無名の若者の独白と、リング上で打ち続けられても立ち上がるボクサーの幻影を重ねた、1969年のフォーク・ロックの金字塔である。ポール・サイモンが自身の評論家への怒りと、世代の幻滅を織り交ぜながら書いたこの曲は、約100時間のス…
SIMON & GARFUNKEL · 1964
1964年にひっそりと発表され、当初は商業的に失敗作と見なされた一曲が、エレクトリック・ギターとドラムを後から重ねるという奇策によって突如全米1位へと駆け上がる。沈黙の中で語り合うことを忘れた群衆を描いたこの曲は、テレビが家庭に行き渡り、ケネディ暗殺が国民の精神に影を落とした時代…
JIMI HENDRIX · 1968
1968年、ニューヨークのレコード・プラント・スタジオで深夜に録音されたこの15分のジャム・セッションは、エレクトリック・ギターという楽器の限界を地球外まで押し広げた。ジミ・ヘンドリックスは「ヴードゥー・チャイルド」で、ブルースの土壌からサイケデリックな宇宙までを一本のストラトキ…
LED ZEPPELIN · 1969
1969年、レッド・ツェッペリンが世に放った「Whole Lotta Love」は、ブルースをハードロックへと変質させた瞬間の刻印である。ウィリー・ディクソンの古いブルースから生まれ、ジミー・ペイジのリフとロバート・プラントの咆哮、そしてエンジニアの偶然のミスから生まれた中間部の…
THE BEATLES · 1965
一行で言うと: 恋人が去ってしまった理由がわからず、昨日に戻りたいと願う男の、たった2分間の独白。Paul McCartneyが夢の中で完成形のメロディを聴いて目を覚まし、ピアノに駆け寄って書き留めた、ポップス史上もっともカバーされた曲。…