5 STORIES
1975 · 70S
ASBURY PARK, NEW JERSEY, USA
1975年、ニュージャージーの労働者階級の若者が、何ヶ月もスタジオに籠もり、フィル・スペクター流の音の壁を借りて「逃げる」という普遍的な衝動を4分半に閉じ込めた。Born to Runは単なるロックンロール賛歌ではなく、アメリカの夢が壊れかけた時代に、それでもなお走り出すことの意…
1975 · 70S
ニュージャージーの小さな町の網戸が、ハーモニカの一吹きで揺れる。「Thunder Road」は1975年の名盤『Born to Run』の幕開けを飾る曲であり、ロックンロールが「逃走」というアメリカ的なテーマをどこまで詩に変えられるかを示した分水嶺である。それは恋人への口説き文句…
1980 · 80S
1980年、ブルース・スプリングスティーンが世に放った二枚組『The River』のタイトル曲は、若くして大人にならざるを得なかった労働者階級の青年の独白である。ハーモニカの寂しい音色とともに語られるのは、川辺の記憶、予期せぬ妊娠、そして「夢が嘘になるのか、それとも嘘よりひどい何…
1984 · 80S
UNITED STATES, USA
1984年に発表されたブルース・スプリングスティーンの「Born in the U.S.A.」は、ロイ・ビッタンのシンセサイザーとマックス・ワインバーグのスネアが叩き出す祝祭的なアンセムの皮を被った、ベトナム帰還兵の絶望と産業空洞化に取り残された労働者階級の悲鳴である。サビの力強…
1984 · 80S
1984年6月、アメリカは表向きには好景気に沸いていた。しかしその裏では、工場が閉じ、若者が「自分は何者なのか」と問い続けていた。Bruce Springsteenが『Born in the U.S.A.』の最後に書き上げたこの曲は、ポップという「明るい鎧」の内側に、暗闇のなかで…